タイでは国民の90%以上が仏教を信仰しています。しかしタイ国憲法では信仰の自由が保障されているので、少数派としてイスラム教、キリスト教、ヒンドゥー教などを信仰する人もいます。
タイの仏教は上座部仏教(テーラワーダ仏教)といい、スコータイ時代にインドから発生し、スリランカ、ビルマ、カンボジア、ラオスなど南方ルートを通って伝わった仏教の一種です。“この世に生きることは苦しみであり、苦しみの原因になるのは執着する心。その執着を断つ最も効果的な方法は出家して僧侶として修行することである”。という考えに基づいたものであり、誰もが悟りを拓くことができるといわれている日本の大乗仏教とは違います。
タイにはどんなに小さな村にも必ず寺院があり、黄衣をまとった僧侶をあちこちで見ることができます。寺院は僧侶が修行する場所、祈りを捧げる場所としてだけでなく、集会所や学校の役割を果たすなど、人々の生活に密接に関わっており宗教がタイの人々にいかに根付いているということがわかります。